ものすごく興味深い「炎上商法」をして、自分の名前を売って儲けている人がいます。
それがプロ奢ラレヤーさんです。
彼は普通の炎上商法とは全く違う方法を用いて、自分は無傷で利益だけを得ることに成功しています。
それがあまりにも衝撃的だったので、今回はその手法についてまとめていきたいと思います。
なお、実際にプロ奢ラレヤーさんがどんな風に「炎上」しているか知らない人は、この辺を参照してください。この記事では書きません。
普通の炎上商法
今や炎上商法は立派なマーケティングの一種類です。
その効果は絶大で一気に目立つことができてしまいます。
しかし当然出ながら、その分副作用も大きい。
なにせ「悪いこと」をして非難に晒されているわけですから。
「悪いこと」が法律に触れていれば、警察や弁護士のお世話になることになりますし、そうでなくても「悪い人」認定されてしまいます。
「悪名高い」を「無名よりはマシ」と考える。それが通常の炎上商法の本質なのです。
まさに悪魔に魂を売るような取引です。
例えば「フェミニズム」を題材に、炎上商法をするとしたらどうするか。
これはめちゃくちゃ簡単で「女性差別的な発言・行動をする」だけでいい。
ちょっと有名な人が「女性はクソ」みたいなことをツイッターで呟けば、一気に炎上して有名になれるでしょう。
これがよくある炎上商法です。
有名にはなれますが、当然「悪い人」扱いを受けます。諸刃の剣。しかも自分が受ける傷の方がはるかに大きい。それが炎上商法なのですからね。
プロ奢ラレヤーの炎上商法
ここで今回、プロ奢ラレヤーさんがとった手法を見てみましょう。
「自分は燃えない」
彼が実際に行ったことは、「フェミニストの中には、性差別問題の解決を目指すのではなく、ただ怒っているだけの人がいるよね」と指摘しただけです。
当然ですが、そこに「女性差別」の意味は全くありません。
だから本来「炎上」しないはずなどないのですが、実際には大炎上しました。
なぜかと言うと、名指しされた「怒っているだけのフェミニスト」たちが大騒ぎしたからです。
ここにプロ奢ラレヤーの炎上商法の本質があります。
つまり自分は全く悪いことをせず、「悪い人たち」が勝手に燃えるように誘発するわけです。
悪い人たちが勝手に燃えているだけで、自分が燃えているわけではないですから、自分にはダメージはありません。
「女性差別をして炎上した」場合、燃えているのは自分自身です。当然本人は火傷します
プロ奢ラレヤーさんの場合、燃えているのは「怒っているだけのフェミニスト」だけです。自分ではない。
でも燃えて煙が上がっている事実に変わりはありませんから、漁夫の利的に目立つことができます。
プロ奢ラレヤーさんの炎上商法すごすぎて草しか生えない。
普通炎上商法って、自分が悪いことして燃えて目立つわけだけど、
自分は一切燃えずに、バカを炙り出して勝手に燃え盛るのを狼煙にしてる。
こんな炎上商法があるのかと思った。— 天川太郎(ミニマリスト物書き) (@taro_amakawa) 2019年6月8日
「挑発」さえせず、「報告」するだけで炎上させる。
さらにいえば、プロ奢ラレヤーさんがしたのは、火に油を注ぐような「挑発」行為でさえありません。
「あそこがくすぶってますね」と指摘しただけです。
「挑発」は、「怒っているだけフェミニスト」たちに突撃しに行って「あなたのしているのはバカなことです」と言いに行くことです。くすぶっている炎を見つけて、油をそそぐような行為。
これも立派な炎上商法です。
例えば、私の大好きな(そしてプロ奢ラレヤーさんの友人でもある)「えらてん」さんは悪徳宗教や、情報商材屋を叩いて一躍になりましたよね。
でも、この方法はリスクがあります。なにせある特定の個人や団体を「叩いている」ので、反撃をされる可能性がある。実際えらてんさんは、自分が叩いた宗教団体から訴訟を受けています。
(えらてんさんは、ものすごいバランス感覚でこの「叩き」をやっているます。そこが氏のすごいところ)
一方プロ奢ラレヤーさんがした「指摘」は、「怒っているだけのフェミニストがいる」と言う事実を述べただけです。
火事の例えで言うと「あそこくすぶっているよね」と指摘しただけ。
「挑発」は当然「悪いこと」です。油を注いで火事を誘発しているわけですから。
「指摘」はむしろ「いいこと」です。だって火事を報告しただけですから。
プロ奢ラレヤーさんは火をつけたり、火に油を注いだりはしない。だってそれは「悪いこと」だから。それをしたら自分が炎上する。
あくまで自然発火させる。
ではなぜそれが起こるかと言うと、燻っているものを見つけるのがうまいから。— 天川太郎(ミニマリスト物書き) (@taro_amakawa) 2019年6月9日
すでに燻っているものを見つけてきて、
「あれ、燻ってますね」とあくまで第三者のコメンテーター目線で言う。
すると、バカが寄ってきて、勝手に風を送ったり、下手すると油を注いだり、近くで薪を燃やし始める。— 天川太郎(ミニマリスト物書き) (@taro_amakawa) 2019年6月9日
ここが本当にすごいところで、プロ奢ラレヤーさんは自分が燃えることもしないし、
燃えているものに油をそそぐこともしない。
ただ「くすぶっていて、しかも誰かが火をつけたくなるようなこと」を見つけてきて、それをただ報告する。
すると、周りで炎が起こり、それで目立つことができる。
自分は無傷の炎上商法なわけです。
インフルエンサーの本質
ここまでプロ奢ラレヤーさんの「炎上商法」について見てきましたが、
私はここにインフルエンサーの本質を見ました。
普通インフルエンサーと言うと、「自分の意見を言う人」というイメージがあります。
しかしその本質は、自分の意見を言うことではなく、自分の意見を言うことで、「議論を巻き起こす」ことなのではないでしょうか。
議論を巻き起こし、その中心に立つことで自分が注目される。これが真のインフルエンサーの狙いだと思うのです。