魅力的なキャラクターの作り方 「憧れ」と「愛嬌」~バカテスを例に~




魅力的なキャラクターを作りにはどうしたらいいか、
と言う点は、創作をする人にとっては最重要な課題だと思います。

では、実際に魅力的なキャラクターを作りにはどうしたらいいかと言う話なのですが……

一つの明確かつ実践的な答えを、三木一馬の『面白ければなんでもあり 発行累計6000万部――とある編集の仕事目録』が出しています。

それは、魅力的なキャラクターは「憧れ」と「愛嬌」を兼ね備えているということです。

同書では、キャラクター以外にも「面白い物語を作るには」というエッセンスが凝縮されているので、ぜひバイブルにしていただきたいですが……

せっかくなので、今回は『バカとテストと召喚獣』のキャラがいかに「憧れ」と「愛嬌」を備えているかを見ていきましょう。

圧倒的にキャラが立っている『バカテス』

バカテスは本当にキャラクター造形が秀逸で、どのキャラクターもものすごくキャラが立っています。

今回は、三木氏の「憧れと愛嬌」という見方でそれぞれのキャラクターを分析していきます。

吉井 明久

彼の「憧れ」る部分は、「優しさ」でしょう。
でも、これは物語の主人公としては、極めて凡庸です。
もし彼に「憧れ」だけしかなかったら、『バカテス』はここまで人気の作品にはならなかったでしょう。

では、逆の要素「愛嬌」はなにか。それは「おバカ」だということです。
彼は小学生以下の学力しかないとんでもないバカです。それが物語を進めていく動力になり、かつ笑いも生み出していくわけですね。

坂本 雄二

彼も「憧れ」と「愛嬌」を持っています。

憧れは、その「頭の良さ」です。神童と呼ばれた天才で、勉強はできませんが、知略で圧倒的格上のクラスを次々倒していきます。

では「愛嬌」は何か。それは「幼馴染の尻に敷かれていること」ですね。
幼馴染に結婚を迫られ、他の女子をいやらしい目で見ようものなら(あるいは見なくても)目を指で刺されてしまいます。

頭が良いキャラクターは他の物語にわんさといますが、
頭が良くて「かつ」幼馴染の尻に敷かれているキャラは彼だけです。
憧れ×愛嬌の二軸によって、彼が唯一無二の存在になっているんですね。

姫路 瑞希

彼女の「憧れ」はもちろん成績優秀で巨乳美人だということ。

そして「愛嬌」が「料理が下手」だというもの。
これはちょっと「ベタ」ではありますが、しかし彼女の場合それが突き抜けていて、
「作った料理を食べると泡を吹いて倒れる」位下手。
これがコメディーパートでものすごく生きてくる(食べた人は死にそうになるわけですが)。

土屋 康太

彼はまずは「愛嬌」が表に出ます。
彼の「愛嬌」はとにかく「エロ好き」なこと。もっと言うと、「エロい光景を目にすると鼻血をダラダラ流す」というもの。

でも、彼には「憧れ」要素もあります。
それは、「保健体育のテストが得意で、体育教師以上の点数を取る」というもの。
彼の圧倒的な「保健体育の点数」が、バトルの中の「ここぞ」というところで役に立つわけです。

あなたのキャラクターには「憧れ」と「愛嬌」はありますか?

というわけで、バカテスを例に「憧れ」と「愛嬌」が魅力的なキャラクターを作るということを見てきました。

皆さんもぜひ、自分のキャラに「憧れ」と「愛嬌」があるかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA