テレビアニメ『りゅうおうのおしごと!』が完結しました。
ということで、今日はその感想を書いていきたいと思います。
一応、ネタバレありということで、ご了承ください。
アニメ全体の感想
うーん、なんというか、やっぱり尺が足らないなぁという感じ。
個人的に一番残念だったのは、最終話の最後で、名人が記者を一喝するシーンが省かれてしまったこと。
第四局で八一に敗れたことで、永世七冠に待ったがかかった名人。
そこで記者たちは「七冠を期待します!」と詰め寄るわけですが、
それに対して名人は、
名人はこういったのだ。驚くほどに厳しい声で。
「九頭竜竜王は今、最も強い棋士です。全力を尽くしても勝てるかはわかりません」
(……)
……涙が出るほど嬉しかった。
今の言葉だけで大駒一枚強くなれたと思った。
このシーン、おそらく原作を読んだ方は、胸が熱くなったんじゃないでしょうか。
なぜこのシーンが熱いかと言えば、基本的には「永世七冠を期待される名人」「負けることを期待されている八一」の構図があったうえで、しかし名人だけが八一を対等な相手として認めて戦うっていうカタルシスがあるわけです。
しかし、そもそもアニメではそのあたりが深堀されませんでした。
なので、正直アニメだけ見た人は、??ってなってるんじゃないでしょうか。
これは全体に言えることなのですが、とにかく心理描写が浅く、原作ほど感動できないんですね。
尺の都合があったのでしょうが、せっかくビッグタイトルをアニメ化したんですから、24話で同じ内容をやって欲しかったですね。
未読の人にはぜひ原作を読んでほしい
原作はね、とにかく熱いんですよ。
私の中では、近年のラノベの中でダントツ。
イメージとしてはNARUTOが近いでしょうか。
登場人物たちには、それぞれ「才能で劣ってる」「勝てない」というコンプレックスがあって、
でも、それでも才能に恵まれた天才たちと戦いたいと頑張る姿が、本当に感動できるんです。
そこの描写がアニメでは薄かった。
だからこそ、未読の人にはぜひ原作を読んで欲しい。
アニメは第五巻までの内容だったので、第六巻からでもいいです。
六巻は銀子の決意の物語。
これまた熱いストーリーになっています。
そして第七巻。これはさらに熱い!
八一の師匠が主人公なんですが、
過去の栄光に縋り付くおっさんが、再び名人を目指して歩き出す姿がもう本当に熱いわけです。
というわけで、アニメ組の皆さん、ぜひ原作を読んでください。
本当に、アニメとは比べ物にならないくらい感動しますよ。