三角の距離は限りないゼロ【あらすじ(ネタバレ有り)と所感】

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あらすじ

主人公、矢野四季は、本当は大人しい自分の性格を隠して、愉快な「キャラ」を演じて、高校生活をうまくやっている。

そんな彼は、転校生の秋玻(あきは)に一目惚れ。

だが、実は彼女は二重人格で、サブの人格で、少しドジな春珂(はるか)と一定時間ごとに入れ替わっている。
矢野は、秋玻が二重人格であることがバレないように、手助けをすることを申し出る。

そして矢野は秋玻が好きなことを、友人の須藤と修司に打ち明けたことをきっかけに、四人でお台場に出かけることになる。

当日1日を楽しんだ後、観覧車で春珂は矢野が面倒を見てくれるお礼にと、矢野が好きな相手である秋玻と体を共有する自分とキスをしようと提案してくる。それをなんとか断る矢野。

翌日、春珂がもうじき消えてしまうことが秋玻の口から告げられる。
その理由は、秋玻が、矢野と春珂が付き合っていると勘違いして、春珂がいなければ自分が矢野と付き合えると、春珂の存在を否定する気持ちが生まれたからだった。
そしてその理由を告げられた矢野は、秋玻に告白し、春珂を救うことを決意する。

矢野はクラスメイトたちに、自分が「キャラ」を演じていたことを告白。
他のクラスメイトが微妙な反応をする中、須藤と修二は、そんな矢野のことを認めて友人でい続けるのだった。
春珂も、須藤と修二に、二重人格のことを告白し、春珂は受け入れられたことで、彼女がすぐに消えることは回避できたのだった。

そして、秋玻から春珂に入れ替わる時、突然彼女はキスをして、「わたしは『どっち』だか、わかる?」と問いかけた後、「矢野くん――すきだよ」と言うのだった。

感想

ガワ(企画)について

「二重人格の少女との三角関係」というキャッチーな「ガワ」がヒットの理由だろうか。

定番の三角関係という雛形に、新しい風を吹き込んだ。

キャラクター

キャラそのものは平凡で、個人的には特に惹かれるものはなかった。
だが、派手さがないからこそ、リアルさがまして、思春期の読者には共感が得られるのかもしれない。

ストーリー

個人的には、全体的に「ピンチ感」の演出に欠けているように感じた。
「春珂が消えてしまう」という問題の解決も非常にあっさりとしており、平坦に感じられる。
(春珂の死という展開は最初から匂わされており、緊張感を生む工夫がなかったわけではないが)

ただし、読書メーターの感想などを見ると、
「ストーリーに派手さはないが、繊細に若者を描写する」という物語に需要があるのだろうことがうかがい知れる。

あくまで派手な展開が好みの人には刺さらないというだけだ。

また、エピローグはなかなか秀逸。

 

作家志望が参考にすべき点

やはり、三角関係という定番に、二重人格という新しい風を吹き込んで成功したことは参考にしたい。

三角関係×○○というキャッチーなものが作れれば、ラブコメでも勝負ができるという良い例示だろう。

 


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