冨田和成さんの『鬼速PDCA』から。
PDCAを回す際も、ときに非常識な計画を考えることが大切だ。
「目標設定の際に、あえて無謀な目標を設定するみる」という話。
野村證券に入社したときのゴール設定は、「1年目で3年目までの社員のなかで1位、2年目で7年目までの社員のなかで1位、3年目で全社員のなかで1位になること」だった。 結果的には全社員1位の座は取れなかったが、1年目と2年目はぶっち切りで3年目までの社員のなかで1位になれたし、3年目には7年目までの社員のなかで1位になれた。
(中略)
こうした経験から言えることがひとつある。 とてつもないゴール設定をするとその手前くらいまでは余裕で行けてしまう、ということだ。
例えば私の大好きなフィギュアスケートの話でいうと、
「オリンピックの金メダルを目指して、結果は銀メダルだった」選手は山のようにいます。
伊藤みどり、浅田真央、パトリックチャン。。。枚挙に暇がありせん。
一方、「メダルは目指してなかったけど、金メダルがとれちゃった」という選手の話は聞いたことがありません。
目標設定が低ければ、結果も低くなる。至極当然のことです。
でも筆者が言いたいのはそれだけではありません。
大事なのは、仮定として、高い目標を立ててみたら、意外と達成する方法が見つかるかもよということ。
このとき9割のケースでは「やっぱり無理だ」という結論に至るだろうが、残りの1割では「もしかしたら、あながち無理な話ではないかもしれない」と思えるかもしれない。
筆者はこれを「リミッター外し」と読んでいる。
高すぎる目標を立ててみることによって、プランを立てる際に、思いもよらなかったアイディアがでてきて、実はそれが可能だったと気が付くことがあるのだ。
もちろん、達成見込みがないのに、高い目標を持ち続けることを推奨しているわけではありません。
計画に落とし込めない(=達成する方法が見つからない)目標にはなんの意味もありません。
そして、高い目標を置いてみても、9割方達成する方法が見つからないでしょう。
でも、一割の確率で叶える方法が見つかるとしたら。
夢だと思っていたことが、実は夢ではなかったとわかるかもしれないとしたら。
まず、計画の段階は「高すぎる目標」を設定することにはかなりの価値がありそうです。
別に考えてみてダメなら現実的なところを考えればいいのですから。